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装丁・書籍デザイン依頼のコツ|失敗しない指示書の書き方とコピペで使えるテンプレート付

書店で本を選ぶとき、あなたは何を基準に手に取りますか?
タイトルや著者名も大切ですが、最大の決め手は「表紙の雰囲気」ではないでしょうか。
「ジャケ買い」という言葉がある通り、本の見た目=装丁(ブックデザイン)は、その本の運命を左右します。

しかし、いざ自分の本を出版しようとしたとき、多くの著者が直面するのが「デザイン依頼の難しさ」です。

  • 「イメージをどう言葉にすればいいかわからない」
  • 「プロに頼みたいけれど、指示書の書き方がわからない」
  • 「丸投げして、思っていたものと違うデザインになったらどうしよう」

このように悩む方は非常に多いです。中身が素晴らしくても、パッケージで損をしてしまってはあまりに勿体ありません。

そこで本記事では、読者の視線を釘付けにする装丁の基礎知識に加え、今日からコピペで使える「デザイン依頼書(仕様書)」のテンプレートをご用意しました。 これを使えば、デザインの知識がなくても、プロのデザイナーに的確な指示が出せるようになります。

あなたの本を「読まれる本」にするための、具体的な依頼のコツとテクニックを解説します。

目次

装丁(ブックデザイン)とは

装丁とは、単に表紙の絵を描くことではありません。
本という「物体」全体をコーディネートする仕事です。

  • 本の顔(表紙・カバー・帯):カバーデザイン、表紙、帯、見返しなど、外観の全て。
  • 本文のデザイン(組版):フォント選び、文字の大きさ、行間、余白の取り方など、読みやすさを設計すること。
  • 世界観の表現:著者が紡いだ言葉の世界を、色や形、質感として翻訳し、パッケージングすること。

読みやすい本文デザイン(組版)のコツ

まずは、読者が一番長く目にする「本文」のデザインから。
読みやすさは、ここにかかっています。

POD出版などを利用しご自身で作られる場合は、お手元にある書籍の行数や列数を参考にするのも一つです。

版面(はんづら)と余白の黄金比

紙面に対して、文字が印刷される範囲を「版面」と言います。
版面を大きくしすぎると(余白が狭いと)、窮屈で読みにくくなります。
逆に余白が広すぎると、間延びした印象になります。「余白を恐れない」ことが、上品な誌面を作るコツです。

フォント(書体)の使い分け

基本ルールとして、長文を読む本文には「明朝体」を使います。「はね」や「はらい」があり、可読性が高いからです。
一方、見出しや強調したい部分には、視認性の高い「ゴシック体」を使います。
この使い分けだけで、誌面にメリハリがつきます。

文字サイズと行間

文字が小さすぎたり、行間が詰まりすぎていたりすると、読者は疲れてしまいます。
一般的に、本文の文字サイズは9ポイント〜10.5ポイント程度。
行間は、文字サイズの50%〜70%程度空けると読みやすいと言われています。

売れる表紙デザインのテクニック

次は、本の顔である表紙です。ここで読者の心を掴まなければなりません。自費出版の本を売るには?マーケティング戦略と宣伝・広告テクニック でも触れますが、パッケージは重要です。

まずは書店に行って、自分の書いている本と同じジャンルの本の表紙を沢山確認してきましょう。
参考になるものが多いほどに具体的にデザインが可能です。

色彩心理を活用する

色は感情を動かします。

  • :情熱・エネルギー(ビジネス書、自己啓発)
  • :知性・信頼(実用書、学術書)
  • :癒やし・自然(エッセイ、健康)

本の内容やターゲットに合わせてメインカラーを決め、色数を3色程度に抑えるとまとまりが出ます。

タイトルロゴを工夫する

既成のフォントをそのまま置くだけでなく、文字の間隔(カーニング)を調整したり、一部を変形させたりして「ロゴ化」すると、一気にプロっぽくなります。

帯(オビ)を効果的に使う

帯は最強の広告スペースです。
キャッチコピー、推薦文、著者の顔写真などを入れ、購買意欲を刺激します。
帯の色を表紙の補色(反対色)にすると、店頭で目立ちます。

デザインツールと依頼方法

プロに頼むか、自分でやるか。予算とスキルに合わせて選びましょう。

1. プロのデザイナーに依頼する

クオリティを最優先するなら、プロへの依頼が確実です。
MyCoverのようなサービスを使えば、あなたの本のコンセプトに合わせたデザインを提案してくれます。
費用はプランによって変わりますが、数万円程度です。

スキルシェアサービスのココナラなどを使うのも有効です。
数千円〜数万円で書籍の表紙デザインを作ってくれます。
ココナラで表紙デザイナーを探してみる

2. クラウドソーシングでコンペをする

ランサーズやクラウドワークスで、デザインコンペを開催する方法もあります。
多数の案から選べるのがメリットですが、良いディレクション(指示)が必要です。

3. 自分でデザインする(ツール活用)

最近は、無料デザインツールのCanvaでも、かなり質の高い表紙が作れるようになりました。
ただし、フォント選びや余白の取り方など、素人感が出やすい部分には注意が必要です。
書店で売れている本を参考に、「引き算のデザイン」を心がけましょう。

失敗しないための「デザイン依頼書」テンプレート

プロやクラウドソーシングに依頼する場合、最も重要なのが「こちらのイメージを正しく伝えること」です。 「かっこいい感じで」や「おしゃれに」といった抽象的な言葉だけでは、デザイナーも困ってしまい、思っていたものと違う仕上がりになるトラブルの元です。

以下のテンプレートをコピーして、具体的な要望を埋めてから依頼メッセージを送ると、スムーズに意図が伝わり、プロクオリティのデザインが上がってきやすくなります。

【コピペで使える依頼テンプレート】

■表紙デザイン依頼シート

■表紙デザイン依頼シート
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【基本情報】
・書籍タイトル:[ タイトルを入力 ]
・サブタイトル:[ あれば入力 ]
・著者名:[ 著者名を入力 ]
・帯のキャッチコピー:[ 帯をつける場合は入力 ]

【ターゲット・ジャンル】
・ジャンル:[ 例:ビジネス、自己啓発、ミステリー小説、エッセイ ]
・主な読者層:[ 例:30代男性の会社員、子育て中の主婦、経営者 ]

【デザインの方向性】
・希望する雰囲気(キーワード):
 [ 例:スタイリッシュ、信頼感、ポップ、手書き風、高級感、ミニマル ]
・希望する色味(メインカラー):
 [ 例:青系で信頼感を、白ベースで清潔感を、など ]
・避けてほしい色や要素:
 [ 例:暗すぎる色、子供っぽいイラストはNG ]

【参考イメージ】
・イメージに近い既存の書籍や画像(URL):
 1. [ URL ]
 2. [ URL ]
 ※「1の雰囲気が好き」「2のフォント感が良い」など一言あると伝わりやすいです。

【納品仕様】
・サイズ:[ 例:A5、四六判、Kindle用など ]
・背幅:[ ページ数が決まっていれば概算の背幅、または未定 ]
・納品形式:[ 例:PDF、AI、PSD、JPGなど ]
・希望納期:[ 202X年○月○日 ]
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■本文フォーマット・組版依頼シート

■本文フォーマット・組版依頼シート
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【基本仕様】
・判型(サイズ):[ 例:A5、四六判、B6 ]
・綴じ方向:[ 右綴じ(縦書き) / 左綴じ(横書き) ]
・概算文字数・ページ数:[ 約○○万文字 / 想定○○ページ ]

【本文デザインの希望】
・本文フォント:[ 明朝体 / ゴシック体 / おまかせ ]
・文字サイズ・行間:
 [ 例:高齢者向けなので大きめ希望 / 一般的なビジネス書と同じくらい ]
・見出しのデザイン:
 [ 例:シンプルに太字のみ / 章ごとに扉ページを入れたい / 飾り枠が欲しい ]

【素材・要素】
・図解・画像の有無:[ なし / あり(約○点) ]
・図表作成の依頼:[ なし(支給します) / あり(手書きメモから作成希望) ]

【参考イメージ】
・読みやすいと感じる書籍名:
 [ 書籍名やAmazonのURLなど ]

【納品仕様】
・納品形式:[ 印刷用PDF / 入稿用データ一式 ]
・トンボ(裁ち落とし)の有無:[ あり / なし(POD用など) ]
・希望納期:[ 202X年○月○日 ]
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依頼時のワンポイント 言葉で伝えにくい場合は、書店で「自分のイメージに近い本」の写真を撮ったり、AmazonのURLを貼ったりして、「この本の雰囲気に近づけたい」と伝えるのが最も確実なコツです。

まとめ

装丁は、本に「服」を着せるようなものです。
TPOに合わせた、そしてその人の魅力を最大限に引き出す服を着せてあげれば、本は自信を持って世の中へ出ていけます。

「中身で勝負」は、手に取ってもらってからの話。
まずは最高の「顔」を作って、読者を振り向かせましょう。
読みやすさと美しさを兼ね備えたデザインは、あなたの本を、読者にとっての「宝物」に変えてくれるはずです。

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この記事を書いた人

初めて出版する個人著者さんに、Wordや一太郎を使ったかんたん・低コストな本づくりの手順をお伝えしています。
とくに、在庫リスクやムダな廃棄をなくし、環境にも経営にも優しいPOD出版という新しい形を広めることが今のテーマです。
返本率が過去最高と言われる出版業界の中で、「無理なく続けられる出版スタイル」を一緒に考えていきましょう。

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