「自費出版についてもっと詳しく知りたいけれど、ネットの情報だけでは不安……」
そんなとき、選択肢の一つとして浮かぶのが「セミナー」への参加ではないでしょうか。
専門家の話を直接聞けるのは魅力的ですが、一方で「強引に勧誘されたらどうしよう」という不安もよぎりますよね。
セミナーは、使い方次第で強力な武器にもなれば、時間の無駄になってしまうこともあります。
ここでは、セミナーを賢く活用して、あなたの出版計画を前に進めるためのポイントをお伝えします。
自費出版セミナーに参加するメリット
わざわざ足を運んだり、時間を割いてオンラインで視聴したりするだけの価値は、確かにあるのでしょうか。
結論から言えば、初心者こそ一度は参加してみる価値があります。
出版の基礎知識が体系的に学べる
ネット上の情報は断片的になりがちですが、セミナーでは出版の流れや費用、流通の仕組みなどを体系的に学ぶことができます。
「点」だった知識が「線」につながる感覚は、セミナーならではの収穫です。自費出版のやり方と流れ完全ガイド!3つの方法と成功の5ステップ で予習してから参加するのもおすすめです。
個別の相談ができる場合が多い
多くのセミナーでは、終了後に個別相談の時間が設けられています。
「私のこの企画は出版できる?」「予算はこれくらいしかないけれど……」といった個人的な悩みを、プロに直接ぶつけることができる貴重な機会です。
他の参加者から刺激を受けられる
会場に行けば、同じように「本を出したい」という志を持った仲間に出会えます。
年齢も職業もバラバラですが、熱意を持った人たちの姿を見るだけで、「自分も頑張ろう」というモチベーションが湧いてきます。
参加特典(割引やガイドブック)があることも
セミナー参加者限定で、出版費用の割引クーポンがもらえたり、非売品の出版ガイドブックがプレゼントされたりすることもあります。
これだけでも、参加費以上の元が取れることがあります。
セミナー参加の注意点
一方で、セミナーには「裏」の側面があることも忘れてはいけません。
主催者もボランティアで開催しているわけではないからです。
無料セミナーで高額契約を迫られる
「参加費無料」のセミナーは、敷居が低い分、その後のバックエンド(高額商品の販売)が控えていることが多いです。
もちろん、納得して契約するなら問題ありませんが、場の雰囲気に流されて即決してしまうのは危険です。
有料の出版コンサルティングを紹介される
セミナーの中で、「より確実に成功するためには、個別のコンサルティングが必要です」と誘導されるパターンもあります。
コンサルタントの実力はピンキリなので、その場での契約は避け、一度持ち帰って評判などを調べましょう。
文章講座など毎月の費用がかかる教材の紹介
「まずは文章力を磨きましょう」と、高額なライティング講座や通信教育を勧められることもあります。
自分に本当に必要なものかどうか、冷静に見極める目が必要です。
主催側の意図を汲み取る
主催者が出版社なら「自社で出版してほしい」、印刷会社なら「印刷を受注したい」という目的があります。
提供される情報は、どうしても主催者に有利なバイアスがかかっている可能性があることを頭に入れておきましょう。
セミナーの種類と選び方
一口にセミナーと言っても、主催者によって内容はガラリと変わります。
自分の目的に合ったものを選びましょう。
出版社主催のセミナー
「書店流通」や「編集者との本作り」に重点が置かれています。
本格的な出版を目指す人や、商業出版への足がかりを作りたい人に向いています。
印刷会社主催のセミナー
「本の仕様」や「印刷技術」、「コストダウンの方法」などの話が中心です。
記念誌や自分史など、流通よりも「形に残すこと」を重視する人におすすめです。
著者やプロデューサー主催のセミナー
「ベストセラーの作り方」や「ブランディング出版」といった、企画や販促のノウハウが学べます。
ビジネス目的で出版したい人には刺激的な内容が多いでしょう。
オンライン(ウェビナー)と対面の違い
最近はZoomなどを使ったウェビナーが主流です。
気軽に参加でき、移動時間もかからないのがメリットですが、会場の熱気を感じたり、講師と名刺交換したりといったリアルな交流はできません。
まずはウェビナーで情報収集し、本気度が高まったら対面セミナーに行く、という使い分けも良いでしょう。
セミナーでチェックすべきポイント
セミナーに参加したら、ただ話を聞くだけでなく、以下のポイントをチェックしてみてください。
その会社や講師が信頼できるかどうかのリトマス試験紙になります。
講師の実績と信頼性
講師自身が出版経験豊富か、あるいは多くの著者を成功に導いているか。
具体的な数字や事例に基づいて話しているかを確認しましょう。
過去の出版事例の紹介
その会社が手がけた本の実物を見せてもらえるかどうかも重要です。
装丁のセンスや紙の質など、実際の「モノ」を見ることで、その会社の実力がわかります。
費用や契約に関する説明の明確さ
お金の話を曖昧にせず、リスクも含めてきちんと説明してくれるか。
「安くできます」としか言わない場合は要注意です。
勧誘の強さ(強引な勧誘には注意)
終了後のアンケートや個別相談で、執拗に契約を迫ってくるようなら、その会社とは距離を置いた方が無難です。
本当に良いサービスなら、強引な勧誘は必要ないはずです。
セミナー参加後のアクション
「いい話を聞いたな」で終わらせてはもったいないです。
鉄は熱いうちに打ちましょう。
学んだことを整理する
メモを見返し、自分にとって重要だったポイントを書き出します。
「なるほど」と思ったことだけでなく、「これは自分には合わないかも」と感じた違和感も大切な情報です。
自分の企画書を見直す
セミナーで得た知識をもとに、自分の企画書や原稿をブラッシュアップします。
ターゲット設定は適切か、タイトルは魅力的かなど、新しい視点で見直せるはずです。出版企画書の書き方講座。編集者の心を掴む「売れる」企画の作り方 も参考にしてください。
複数のセミナーを比較検討する
1社のセミナーだけで決めてしまわず、できれば2〜3社のセミナーに参加して比較することをおすすめします。
会社ごとのカラーや考え方の違いがよくわかります。
具体的な見積もりを依頼する
信頼できそうだと感じたら、具体的な見積もりを依頼してみましょう。
セミナー参加者特典が適用される場合もあるので、忘れずに伝えましょう。
まとめ
セミナーは、出版への扉を開くための「鍵」を手に入れる場所です。
しかし、その鍵を使うかどうか決めるのは、あなた自身です。
情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考え、比較し、納得できるパートナーを見つけるための材料として活用してください。
良いセミナーとの出会いが、あなたの本作りを加速させるきっかけになりますように。
