「本を出したら、Amazonで買えるようになりますか?」
自費出版を検討する方から、必ずと言っていいほど聞かれる質問です。
今や、Amazonは世界最大の本屋さん。
リアル書店には行かなくても、Amazonで本を買う人は星の数ほどいます。
つまり、Amazonに並ぶということは、世界中の読者にあなたの本を届けるチャンスがあるということです。
ここでは、個人がAmazonで本を販売するための具体的な方法と、そこで埋もれずに売るための戦略についてお話しします。
Amazonで自費出版する方法
Amazonで本を売るには、いくつかルートがあります。
出版社を経由して流通させる
自費出版サービスを提供している出版社のいくつかは、Amazonでの販売に対応しています。
面倒な手続きは出版社が代行してくれるので、著者は原稿を書くことに集中できます。
ただし、流通手数料や管理費が出版費用とは別にかかる場合があります。
Amazon e-託販売サービスを利用する
著者がAmazonと直接契約し、本を倉庫に預けて販売してもらう「e-託販売サービス」という仕組みがあります。
年会費や手数料がかかりますが、出版社を通さずに直販できるのがメリットです。
ただし、在庫管理や発送手配(倉庫への納品)を自分で行う必要があります。
MyISBNでペーパーバックを出す
MyISBNは4,980円という低価格で紙の本が出版できるサービスです。
注文が入ってから印刷・製本されるオンデマンド方式なので、在庫を持つ必要がありません。
初期費用もほぼゼロで始められます。
それぞれのメリット・デメリット比較
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 出版社経由 | 手続きが楽、信頼性が高い | 費用がかかる場合がある |
| e-託販売 | 直販できる、利益率が高い | 在庫管理・納品の手間、年会費 |
| MyISBN | 在庫リスクなし、初期費用安、書店取寄も可 | 紙質が選べない |
Amazon流通のメリット
なぜ、みんなAmazonを目指すのでしょうか。
世界中どこからでも購入可能
北海道から沖縄まで、あるいは海外からでも、クリック一つであなたの本が届きます。
商圏が一気に広がります。
24時間365日販売できる
書店が閉まっている深夜でも、早朝でも、読者が「欲しい」と思った瞬間に購入できます。
機会損失がありません。
膨大なユーザー数と検索機能
圧倒的な集客力を持つAmazonのサイト内で検索されるようになれば、広告を出さなくても見つけてもらえる可能性があります。
在庫管理が楽(PODなら在庫ゼロ)
MyISBNやムゲンブックス(Mugenbooks)などのPODサービスを使えば、Amazonの倉庫に在庫を積む必要すらありません。
売れた分だけ印刷されるので、在庫リスクも保管料もゼロです。
Amazonだけでなく、楽天ブックスや書店での取り寄せにも対応できます。プリント・オン・デマンド出版(POD出版)とは?在庫リスクなしで紙の本を出す仕組みとサービス比較 で詳しく解説しています。

Amazonで売るための戦略(SEO対策)
ただ登録しただけでは、広大なAmazonの海に沈んでしまいます。
見つけてもらうための工夫が必要です。
検索されやすいキーワードをタイトルや説明文に入れる
読者がどんな言葉で検索するかを想像し、そのキーワードをタイトルやサブタイトル、商品説明文に盛り込みます。
「自費出版」だけでなく「小説 書き方」「自分史 作り方」など、関連するワードを入れるのがコツです。
適切なカテゴリー設定
本の内容に合ったカテゴリー(ジャンル)を正しく設定します。
競合が少なすぎるニッチな場所より、ある程度需要がある場所を選びましょう。
著者セントラルの活用
Amazonには「著者セントラル」という著者専用のページがあります。
ここにプロフィールや写真を充実させることで、読者に親近感を持ってもらえます。
レビューを集める工夫
レビュー(口コミ)の数は、購入決定に大きく影響します。
知人に感想をお願いしたり、SNSでレビューキャンペーンを行ったりして、地道に星を集めましょう。
Amazonランキングの仕組みと活用
ランキング上位に入れば、さらに売れるという好循環が生まれます。
ランキングが上がると露出が増える
売上が伸びるとランキングが上がり、「売れ筋ランキング」や「おすすめ商品」に表示されやすくなります。
カテゴリ別ランキングで1位を狙う
総合ランキングで1位を取るのは困難ですが、細分化された「カテゴリ別ランキング」なら、数冊売れただけで1位になれることもあります。
「Amazonランキング1位獲得!」という実績は、大きな宣伝材料になります。ランキングについては 自費出版からベストセラーは生まれる?ヒット作の条件と著者の心構え も参考にしてください。
キャンペーン時のランキング変動
発売日や特定の期間に購入を集中させるキャンペーンを行うことで、瞬間的にランキングを急上昇させることができます。
「ベストセラー」タグの効果
カテゴリー内で1位になると、商品ページにオレンジ色の「ベストセラー」タグがつきます。
これがあるだけで、読者の信頼度はグンと上がります。
まとめ
現代において、Amazonは最強の書店であり、最強のメディアです。
ここにあなたの本を置くことは、世界への扉を開くことと同義です。
仕組みを理解し、賢く活用して、あなたの本を必要としている読者に届けてあげてください。
