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文芸社で自費出版する前に!評判や費用の実態、メリット・デメリットを解説

「自費出版」と聞いて、真っ先に思い浮かぶ会社の一つが「文芸社」ではないでしょうか。
新聞広告やテレビCMでもおなじみの、業界最大手の出版社です。
「大手だから安心」と思う一方で、「費用が高いのでは?」「営業がしつこいって本当?」といった不安の声も耳にします。
今回は、文芸社の特徴や評判について、フラットな視点で解説していきます。

目次

文芸社の特徴と実績

文芸社は、自費出版をビジネスとして確立させたパイオニア的な存在です。
多くの出版社が不況に苦しむ中、圧倒的な資本力と営業力で成長を続けてきました。
その最大の特徴は、自費出版でありながら「売れる本」を生み出す力を持っていることです。

自費出版業界の最大手

文芸社は、年間の出版点数において業界トップクラスを誇ります。
小説、エッセイ、自分史、実用書など、あらゆるジャンルの本を手掛けており、蓄積されたノウハウは膨大です。
多くの著者が選んでいるという事実は、それだけシステムが整っており、一定の信頼があることの裏返しでもあります。

『B型自分の説明書』などのミリオンセラー実績

文芸社の名前を一躍有名にしたのが、『B型自分の説明書』の大ヒットです。
元々は自費出版としてスタートした本が、シリーズ累計で数百万部を超えるベストセラーになりました。
「自費出版からでもベストセラー作家になれる」という夢を、現実に証明してみせたのです。

全国規模の書店流通ネットワーク

文芸社の強みは、なんといってもその流通網です。
全国の主要書店に特設コーナーを持っていたり、新刊を平積みしてもらう力を持っています。
個人の力では到底太刀打ちできない「本を並べる力」は、著者にとって大きな魅力です。

新聞広告やメディア展開の強さ

全国紙への広告掲載や、電車の中吊り広告など、マスメディアを使った宣伝も積極的です。
自分の本が新聞広告に載るというのは、著者にとってこれ以上ない喜びであり、ステータスにもなります。
こうした派手なプロモーションができるのも、大手ならではの体力があるからです。

文芸社の出版プラン

文芸社には、著者の目的や予算に合わせていくつかの出版プランが用意されています。
大きく分けると、書店流通を目指すプランと、個人的な記録として残すプランがあります。

企画出版(商業出版に近い形)

文芸社が「売れる」と判断した作品に対して、費用の一部または全部を出版社が負担するプランです。
商業出版に近い形ですが、採用されるハードルは非常に高いです。
コンテストなどで優秀賞を受賞した作品などが対象になることが多いようです。

流通出版(書店に並ぶプラン)

著者が費用を負担して本を作り、書店に流通させる最も一般的なプランです。
費用はかかりますが、編集、校正、デザイン、流通、宣伝まで、プロのフルサポートが受けられます。
「書店に自分の本を並べたい」という夢を叶えるためのプランと言えます。

私家版(流通しないプラン)

書店流通をせず、家族や友人に配るためだけに本を作るプランです。
流通コストがかからない分、費用は抑えられます。
自分史や遺稿集など、身内だけで共有したい本を作る場合に適しています。

電子書籍出版

時代の流れに合わせて、電子書籍での出版プランも提供しています。
紙の本よりも低コストで出版でき、在庫リスクもありません。
まずは電子書籍で様子を見て、反応が良ければ紙の本にする、というステップも可能です。

文芸社で出版するメリット・デメリット

どんなサービスにもメリットとデメリットがあります。
文芸社の特徴を理解した上で、自分に合っているかどうかを判断しましょう。

メリット:大手ならではの安心感と宣伝力

倒産のリスクが少なく、制作進行もしっかり管理されているため、安心して任せることができます。
また、前述の通り宣伝力は圧倒的で、多くの人の目に触れるチャンスがあります。
「文芸社から本を出した」という事実は、周囲への信頼感にも繋がります。

メリット:書店員への認知度が高い

書店員さんも文芸社の本はよく知っています。
「文芸社の新刊ならコーナーを作ろう」と考えてくれる書店も多く、営業がしやすい土壌があります。
無名の出版社から出すよりも、書店で扱ってもらえる可能性は格段に高くなります。

デメリット:費用が比較的高額になる傾向

手厚いサポートと宣伝力がある分、費用は決して安くありません。
数百万円単位の出費になることも珍しくなく、予算が限られている人にはハードルが高いかもしれません。
「コスト」ではなく「投資」として捉えられるかどうかがポイントです。自費出版の費用相場とシミュレーション!100部・500部の見積もり目安 と比較してみるのも良いでしょう。

デメリット:営業電話がしつこいという評判も?

ネットの口コミなどでよく見かけるのが、「資料請求をしたら営業電話が頻繁にかかってくる」という声です。
熱心さの裏返しとも言えますが、マイペースに検討したい人にとっては負担に感じることもあるでしょう。
はっきりと断れば連絡は止まりますので、毅然とした対応が必要です。

実際に文芸社を利用した人の声

実際に文芸社で出版した著者の感想は、満足している人とそうでない人に分かれます。
その違いはどこにあるのでしょうか。

「担当者が熱心にアドバイスしてくれた」

満足度の高い著者は、担当編集者との相性が良かったケースが多いです。
自分の作品を深く理解し、より良くするための提案をしてくれたことに感謝しています。
二人三脚で本を作り上げるプロセスそのものに価値を感じているようです。

「書店で平積みされて感動した」

やはり、自分の本が書店の目立つ場所に置かれているのを見た時の感動はひとしおです。
「夢が叶った」と実感できる瞬間であり、高い費用を払った甲斐があったと感じるようです。
親戚や知人に配った時の反応も良く、誇らしい気持ちになれます。

「費用対効果をどう考えるかが鍵」

一方で、「高いお金を払ったのに売れなかった」という不満の声もあります。
出版は水物であり、どんなに宣伝しても売れないことはあります。
「売れること」だけをゴールにすると、期待外れに終わるリスクがあります。

契約前に確認すべきポイント

後悔しないためには、契約前に疑問点をすべて解消しておくことが大切です。
費用の内訳、追加料金の有無、印税の支払い条件、在庫の扱いなど。
担当者の言葉だけでなく、契約書の内容をしっかり確認しましょう。

まとめ

文芸社は、「本気で世の中に作品を問いたい」「書店に自分の本を並べたい」という強い想いを持つ人にとっては、頼もしいパートナーになり得ます。
しかし、それには相応の費用と覚悟が必要です。
ブランドや宣伝力に魅力を感じるなら、一度話を聞いてみる価値は十分にあります。
あなたの夢を託すのにふさわしい相手かどうか、じっくり見極めてくださいね。

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この記事を書いた人

初めて出版する個人著者さんに、Wordや一太郎を使ったかんたん・低コストな本づくりの手順をお伝えしています。
とくに、在庫リスクやムダな廃棄をなくし、環境にも経営にも優しいPOD出版という新しい形を広めることが今のテーマです。
返本率が過去最高と言われる出版業界の中で、「無理なく続けられる出版スタイル」を一緒に考えていきましょう。

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