「いつか、自分の描いた絵本を出版してみたい」
そんな優しい夢を持っている人は、実はとても多いんです。
子供の頃に読んでもらった絵本の温もり。
自分の子供に読み聞かせをしたときの、キラキラした瞳。
絵本には、言葉だけでは伝えきれない、心に直接届く魔法があります。
その魔法を、あなた自身の手で生み出してみませんか?
ここでは、絵本を自費出版するためのヒントを、夢見るあなたにお届けします。
絵本を自費出版する魅力
絵本を作る動機は人それぞれですが、そこには共通して「誰かを笑顔にしたい」という想いがあります。
子供や孫へのプレゼントとして
世界にたった一冊、ママやパパ、おじいちゃんやおばあちゃんが作ってくれた絵本。
それは子供にとって、どんな高価なおもちゃよりも嬉しい宝物になります。
主人公の名前を子供の名前にしてあげれば、物語の中に入り込む特別な体験をプレゼントできます。
自分の絵や物語を世に出したい
趣味で描きためたイラストや、温めてきたお話を、ちゃんとした「本」の形にする。
それはクリエイターとしての大きな喜びです。
もしかしたら、あなたの絵本が、どこかの誰かの心の支えになるかもしれません。
教育や情操教育への貢献
「歯磨きの大切さを伝えたい」「お友達と仲良くすることの素晴らしさを教えたい」。
そんな教育的なメッセージも、絵本という形なら、子供たちの心に自然と染み込んでいきます。
絵本制作の特有のポイント
文字だけの本と違って、絵本作りにはいくつか独特のコツがあります。
文と絵のバランス、ページ構成(見開き)
絵本は「めくる」ことで物語が進みます。
見開き(2ページ)で一つの場面を作り、ページをめくると次の展開が待っている。
このリズム感が大切です。
文章は詰め込みすぎず、絵で語れる部分は絵に任せる引き算の美学が必要です。
判型(サイズ)の自由度が高い
正方形、横長、縦長。絵本には決まった形がありません。
物語の世界観に合わせて、自由なサイズを選べるのも楽しみの一つです。
ただ、あまり変形サイズにしすぎると、本棚に入らなかったり、制作費が上がったりするので注意が必要です。
印刷の色味(発色)へのこだわり
水彩の淡いタッチ、アクリルの鮮やかな色。
原画の持つ魅力をそのまま印刷で再現するのは、実はとても難しい技術です。
色校正(試し刷り)をしっかり行い、納得いくまで調整することが大切です。
製本(ハードカバーが一般的だがコスト高)
子供が何度も開いたり閉じたりしても壊れないよう、絵本は丈夫なハードカバーで作るのが一般的です。
角で怪我をしないよう、丸く加工するなどの配慮も必要になります。
絵本自費出版の費用感
「絵本は高い」とよく言われますが、それはなぜでしょうか。
フルカラー印刷のため、文字だけの本より高くなる
4色のインクをフルに使って印刷するため、モノクロの書籍に比べて印刷費はどうしても高くなります。
ハードカバーにするとさらにコストアップ
前述の通り、製本にも手間と材料費がかかります。
数百万円かかることも珍しくありません。ハードカバー(上製本)で自費出版!一生モノの本を作る魅力 も参考にしてください。
費用を抑える工夫(ソフトカバー、規格サイズ、少部数)
予算が限られている場合は、ソフトカバーにしたり、定型のサイズを選んだりすることでコストを下げられます。
最近は、オンデマンド印刷を使って、1冊から安価に作れるサービスも増えています。1冊から少部数(小ロット)で自費出版!在庫リスクなしで本を作る方法 もチェックしてみてください。
絵本の流通と販売
作った絵本を、どうやって読者に届けるか。ここが一番の難関かもしれません。
書店での絵本コーナーへの配本はハードルが高い
書店の絵本コーナーは、ロングセラーの定番絵本がひしめき合う激戦区です。
無名の新人の絵本を置いてもらうのは、正直かなり難しいのが現実です。
読み聞かせイベントやワークショップでの手売り
絵本作家にとって最強の武器は「読み聞かせ」です。
図書館やカフェでイベントを開き、子供たちの前で読んであげる。
その反応を見て、親御さんが「家でも読んであげたい」と買ってくれる。
そんな地道な活動が、ファンを増やす一番の近道です。
Amazonや絵本専門サイトでの販売
ネット書店なら、スペースの制限なく販売できます。
表紙画像や中身の試し読みを充実させて、魅力を伝えましょう。
コンテストへの応募
多くの出版社が主催している絵本コンテストに応募するのも一つの手です。
受賞すれば、商業出版への道が開けるかもしれません。
まとめ
絵本を作ることは、子供の頃の自分と向き合うことでもあります。
純粋な心で、世界を見つめ直す作業です。
技術的なハードルや費用の壁はあるかもしれませんが、それを乗り越えて完成した一冊は、きっとあなたの人生を彩る鮮やかな1ページになるはずです。
あなたの心の中にある物語を、どうか形にしてあげてください。
