MENU

自費出版の印税と利益の仕組み!儲かる確率を上げる収支シミュレーション

「本を出して印税生活!」
そんな夢のような言葉に憧れたことはありませんか?
一方で、「自費出版は儲からない」「赤字になる」という厳しい現実も耳にします。
実際のところ、自費出版のお金事情はどうなっているのでしょうか?
著者が受け取る「印税」の仕組み、利益が出る「損益分岐点」、そして収入を増やすための具体的な戦略。
ここでは、自費出版における「お金」のすべてを、包み隠さず解説します。

目次

1. 自費出版の「印税」の正体

まず、著者が受け取るお金の仕組みを理解しましょう。

商業出版の印税との違い

  • 商業出版:出版社がリスクを負う代わりに、著者は定価の3%~10%程度を「著作権使用料(印税)」として受け取ります。
  • 自費出版:著者が制作費を負担するため、売上から経費を引いた残りが著者に支払われます。これを「売上還元金」や「著者受取金」と呼びますが、便宜上「印税」と呼ぶこともあります。

印税率(還元率)の相場

  • 書店流通(委託):取次や書店のマージンが引かれるため、著者の手取りは3%~10%程度です。
  • MyISBN(POD):在庫リスクなしで、1冊売れるたびに販売価格の10%が支払われます。
  • 電子書籍(Kindle):条件を満たせば最大70%という高いロイヤリティが得られます。
  • 手売り(直販):定価から原価を引いた額がすべて利益になります(利益率60〜70%も可能)。

2. 収支構造と損益分岐点(BEP)

「どれくらい売れば元が取れるのか?」
これを把握するために、損益分岐点(Break-even point)を計算しましょう。

計算式

総費用 ÷ 1冊あたりの利益 = 損益分岐点(冊数)

例えば、制作費(総費用)が100万円で、1冊売れるごとの利益が500円だとします。
1,000,000 ÷ 500 = 2,000冊
つまり、2,000冊売って初めてプラスマイナスゼロになります。

赤字を防ぐポイント

多くの自費出版が赤字になるのは、この損益分岐点が高すぎるからです。

  • 固定費(制作費)を抑えるMyISBNなどの安価なサービスを使う。
  • 1冊あたりの利益を上げる:電子書籍や直販を組み合わせる。

たとえば、MyISBNは出版費用が4,980円のみです。
印税は販売価格の10%ですので、2,000円場合、1冊売れるごとの利益が200円です。
先ほどの式に当てはめると、たった25冊で損益分岐点を超えます。
4,980 ÷ 200 = 25冊

3. 収入を増やすための戦略

ただ本を売るだけでなく、複数の収入源を持つことが重要です。

電子書籍とのハイブリッド出版

紙の本だけでなく、電子書籍(Kindle)も同時に出しましょう。
制作コストがほぼゼロで、印税率が高いため、利益の柱になります。
「紙で読んで保存したい人」と「スマホで手軽に読みたい人」、両方のニーズを取り込めます。電子書籍(Kindle)で自費出版する方法!仕組み・印税・成功のコツを完全解説 も参考にしてください。

直販(手売り)の強化

書店を通さずに自分で売れば、マージンを取られません。
講演会やイベントでの手売り、自分のネットショップ(BASEなど)での販売に力を入れましょう。
1冊あたりの利益が最も高い方法です。自費出版は「手売り」が一番儲かる?直販の魅力と売るためのコツ でノウハウを紹介しています。

本を「集客ツール」にする(バックエンド)

本単体で儲けようとせず、本をきっかけに本業の売上を伸ばすモデルです。

  • コンサルタント・講師:本を読んで信頼してくれた人を、高額なセミナーやコンサルティング(バックエンド商品)に誘導する。
  • 店舗経営者:本を読んでお店に来てくれた人にお店に来てもらう。

これなら、本自体がトントン(あるいは多少の赤字)でも、トータルで大きな利益が出ます。

4. 「自費出版は儲かるのか?」への結論

結論から言えば、「簡単には儲からないが、やり方次第で儲けることは可能」です。

現実は厳しい

書店に並べれば勝手に売れる、ということはありません。
何もしなければ、初版の在庫の山を抱えて終わるのがオチです。

儲かる人の特徴

  • ニッチな需要を捉えている:競合の少ない専門分野や、深い悩み(お金、健康など)を解決するテーマ。
  • 著者にファンがいる:SNSのフォロワーやメルマガ読者など、買ってくれる見込み客を持っている。
  • ロングテールを狙っている:1冊で爆発的に売るのではなく、何冊も出して長く売り続け、印税を積み上げている。

まとめ

自費出版は、単なる「思い出作り」ではなく、一つの「事業」です。
事業である以上、コストとリターンをシビアに見積もる必要があります。

  • 印税:契約形態によって大きく違う。
  • 利益:損益分岐点を計算し、固定費を抑える。
  • 収入:電子書籍や直販、バックエンド商品を組み合わせる。

この3つの視点を持って戦略的に取り組めば、自費出版はあなたの人生を豊かにする最高の投資になるはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

初めて出版する個人著者さんに、Wordや一太郎を使ったかんたん・低コストな本づくりの手順をお伝えしています。
とくに、在庫リスクやムダな廃棄をなくし、環境にも経営にも優しいPOD出版という新しい形を広めることが今のテーマです。
返本率が過去最高と言われる出版業界の中で、「無理なく続けられる出版スタイル」を一緒に考えていきましょう。

目次