「なぜ、わざわざお金を出してまで本を作るの?」
そう聞かれることがあるかもしれません。
確かに、商業出版なら費用はかかりませんし、ブログなら無料で発信できます。
それでも、多くの人が自費出版を選ぶのには、それだけの理由があります。
それは単なる「思い出作り」以上の、人生やビジネスを大きく変える可能性を秘めているからです。
ここでは、自費出版がもたらす多彩なメリットについて、掘り下げてみたいと思います。
自費出版の最大のメリット
一番の魅力は、何と言っても「自由」であることです。
誰にも忖度せず、自分の作りたいものを、作りたいように作れる。
これはクリエイターにとって、何にも代えがたい喜びです。
誰でも自由に本が出せる
商業出版では「売れるかどうか」がすべての基準になります。
どんなに素晴らしい内容でも、市場規模が小さければ企画は通りません。自費出版と商業出版の違いとは?費用・決定権・流通を徹底比較 も参考にしてください。
しかし自費出版なら、審査の壁はありません。
あなたの情熱さえあれば、誰でも「著者」になることができます。
自分の伝えたいことをそのまま形にできる
編集者の意向で内容を書き換えられたり、売れ線のタイトルに変えられたりすることがありません。
一字一句、あなたの言葉のまま読者に届けることができます。
装丁やレイアウトも、自分のこだわりを隅々まで反映させることが可能です。
商業出版では難しい企画も実現可能
ニッチすぎる専門書、個人的な体験記、実験的な小説など、商業ベースには乗りにくい企画でも、自費出版なら世に出すことができます。
「少数の人でもいいから、深く刺さる本」を作れるのが強みです。
ビジネス・ブランディング面でのメリット
最近増えているのが、ビジネスツールとしての自費出版です。
本を出すことは、最強のブランディングになります。
専門家としての信頼性が高まる
「本を出している」という事実は、その分野の専門家であることの証明になります。
名刺交換の際に「著書があります」と言えるだけで、相手の見る目は変わります。自費出版でブランディング!ビジネスを加速させる出版戦略 もあわせてご覧ください。
社会的信用が一気に上がり、メディアからの取材依頼が来ることも珍しくありません。
名刺代わりの営業ツールになる
薄っぺらいパンフレットを渡すより、一冊の本を渡した方が、あなたの考えや人となりが深く伝わります。
本を読んだ上で問い合わせてくる顧客は、すでにあなたのファンになっている可能性が高く、成約率も格段に上がります。
セミナーや講演の集客につながる
著書があることは、セミナー講師や講演依頼を受ける際の強力な武器になります。
「著者が話す」というだけで集客力は上がりますし、講演料の単価アップも期待できます。
企業の歴史や理念を形に残せる
社史や創業者の自叙伝を出版することで、会社の理念を社員に浸透させたり、取引先に自社の歴史を知ってもらったりすることができます。
採用活動においても、学生に会社の魅力を伝えるツールとして有効です。
精神的・個人的なメリット
数字や利益だけでは測れない、心への効用も見逃せません。
人生のマイルストーンになる
本を書き上げるという行為は、自分の人生や思考を深く見つめ直す作業でもあります。
完成した本は、あなたの生きた証(マイルストーン)として、長く残り続けます。
家族や知人に思いを伝えられる
普段は照れくさくて言えない感謝の言葉や、遺しておきたいメッセージを、本という形に託すことができます。
自分史や家族の記録は、子や孫にとってもかけがえのない宝物になるでしょう。自分史・自叙伝を自費出版する!人生の棚卸しからリーダーの「生きた証」まで も参考にしてください。
創作活動の集大成として残せる
書き溜めた詩や短歌、ブログ記事、撮りためた写真などを、一冊の本にまとめることで、作品としての完成度が高まります。
Web上のデータは消えてしまうこともありますが、紙の本はずっと手元に残ります。
自己表現の場が得られる
自分の内面を表現し、それを誰かに受け取ってもらう喜びは、人間の根源的な欲求を満たしてくれます。
読者からの感想をもらうことで、新たなつながりや生きがいが生まれることもあります。
自費出版のデメリットとリスク
光があれば、必ず影があります。
メリットだけでなく、現実的なリスクやデメリットも理解しておくことが大切です。
費用がかかる(初期投資が必要)
商業出版なら出版社が出してくれる費用を、すべて自分で負担しなければなりません。
数十万円から数百万円というまとまったお金が出ていくのは、やはり大きなリスクです。
在庫を抱えるリスクがある
たくさん刷れば1冊あたりは安くなりますが、売れなければ大量の在庫(=不良債権)を抱えることになります。
自宅が段ボールの山で埋め尽くされ、処分費用までかかってしまうこともあります。
商業出版に比べて書店流通が弱い
「本屋さんに並ぶ」というのは、想像以上にハードルが高いことです。
自費出版の本は、取次会社のルートに乗りにくかったり、書店側から敬遠されたりすることがあります。
並んだとしても、目立たない棚にひっそりと置かれ、数週間で返本されてしまうことも少なくありません。
「自費出版=質が低い」という偏見
残念ながら、「自費出版の本は、商業出版できなかったレベルの低い本」という偏見を持つ人もいます。
玉石混交であることは事実なので、その中で「玉」であることを証明するには、中身で勝負するしかありません。
プロの客観的な視点が入りにくい
自分でお金を出す「お客様」であるため、編集者も強く意見しにくい場合があります。
その結果、著者の思い込みだけで突っ走ってしまい、読者不在の自己満足な本になってしまう恐れがあります。
権利・収益面でのメリット
契約形態にもよりますが、自費出版ならではの利点もあります。
著作権を著者が保持できる
商業出版では、著作権の一部(出版権など)を出版社に設定することが一般的ですが、自費出版では著者がすべての権利を持つケースが多いです。
そのため、本の内容を自分のセミナーで使ったり、Webで公開したりといった二次利用が自由にできます。
印税率を自分で決められる場合がある(電子書籍など)
特にAmazonのKDPや電子書籍の場合、販売価格や印税率を自分で設定できることがあります。
商業出版の印税(数%〜10%)に比べて、高い収益率(最大70%など)を得られる可能性があります。電子書籍(Kindle)で自費出版する方法!仕組み・印税・成功のコツを完全解説 をご覧ください。
在庫や販売期間をコントロールしやすい
「絶版」という概念がないのもメリットです。
PODや電子書籍なら、半永久的に販売を続けることができます。
必要な時に必要なだけ増刷することも、自分のペースで決められます。

まとめ
自費出版は、単に「本を作る」だけのことではありません。
それは、あなたの信頼を高め、ビジネスを加速させ、人生を豊かにする「投資」でもあります。
あなたにとって一番大切なメリットは何でしょうか?
その答えが見つかれば、出版への道はより輝かしいものになるはずです。
