「この味、忘れたくないね」
食卓で家族が笑顔になる瞬間、そう思ったことはありませんか?
母から娘へ受け継がれる家庭の味、料理教室で生徒さんに好評だったオリジナルレシピ、あるいは趣味で極めたスパイスカレーの研究成果。
そんな「美味しい記憶」を、レシピ本という形に残してみませんか?
料理は消えてしまいますが、本になれば、その味と想いはずっと残り続けます。
ここでは、思わず作りたくなるような、魅力的なレシピ本の作り方をご紹介します。
レシピ本を自費出版する楽しみ
レシピ本を作る動機は、人それぞれです。
でも、そこには必ず「誰かに食べてほしい」という愛情があります。
自慢の料理を形に残す
試行錯誤して完成させた自慢のレシピも、頭の中にあるだけでは忘れてしまいます。
分量や手順を正確に記録し、写真と共に本にすることで、あなたの料理は「作品」へと昇華します。
料理教室のテキストとして活用
料理教室を主宰されている方なら、オリジナルのレシピ本は最高のテキストになります。
生徒さんにとっても、先生のこだわりが詰まった本は、復習に役立つだけでなく、大切な記念品になります。
家族の味を次世代に伝える
「お母さんの肉じゃが、どうやって作るの?」
子供たちが独立したとき、そんな風に聞かれるかもしれません。
我が家の定番メニューをまとめたレシピ本は、将来、子供や孫たちの食卓を支える「お守り」になるはずです。
魅力的なレシピ本にするコツ
ただレシピを羅列するだけでは、読者の食欲をそそりません。
「美味しそう!」「作ってみたい!」と思わせる工夫が必要です。
写真のクオリティにこだわる(シズル感)
レシピ本の命は、なんといっても写真です。
湯気が立ち上るような温かさ、食材の瑞々しさ。
いわゆる「シズル感」のある写真は、言葉以上に味を伝えます。
予算が許せばプロのカメラマンに依頼するのがベストですが、自分で撮る場合も、自然光を活用するなど工夫しましょう。自費出版の装丁(デザイン)完全ガイド!読者を惹きつける「本の顔」の作り方 も参考にしてください。
工程を分かりやすく解説する(手順写真やイラスト)
「適量」「さっと炒める」といった曖昧な表現は避け、初心者でも失敗しないよう丁寧に解説します。
複雑な工程には、手順ごとの写真やイラストを添えると親切です。
コンセプトを明確にする(時短、節約、健康など)
「10分で作れる時短おつまみ」「野菜たっぷりの健康ごはん」など、コンセプトをはっきりさせましょう。
ターゲットが明確になり、読者に刺さりやすくなります。
コラムやエピソードで人柄を伝える
レシピの合間に、その料理にまつわる思い出や、食材へのこだわりを綴ったコラムを入れましょう。
著者の人柄が伝わり、読み物としても楽しめる一冊になります。
レシピ本の制作工程
美味しい料理を作るのと同じように、本作りにも下準備と手順があります。
レシピの選定と試作・計量
掲載するレシピを選び、実際に作って分量を正確に計量し直します。
「目分量」は禁物です。
誰が作っても同じ味になるよう、再現性を高めることが大切です。
撮影(プロに依頼するか自分で撮るか)
料理は鮮度が命。
作ったそばから撮影していくため、段取りが重要です。
器やクロスなどのスタイリングも、料理の雰囲気を決める大切な要素です。
ココナラでカメラマンに依頼することもできます。
レイアウトとデザイン(見やすさ重視)
キッチンで本を広げながら料理することを想定し、見やすさを最優先にデザインします。
文字の大きさ、工程の配置など、直感的に理解できるレイアウトを目指しましょう。
MyCoverやココナラなどで表紙デザインをプロに頼むと、書店に並んでいる本のような仕上がりになります。
校正(分量や手順の間違いは致命的)
「塩 大さじ1」と「塩 小さじ1」では、味が全く変わってしまいます。
数字の間違いは致命的なので、何度も見直し、実際に作ってみて確認する(校閲調理)こともあります。
費用と仕様の選び方
レシピ本ならではの仕様選びもポイントです。
フルカラー印刷が基本なのでコストは高め
料理の写真を美味しく見せるには、フルカラー印刷が必須です。
そのため、モノクロの書籍に比べて印刷費は高くなります。
開きやすい製本(PUR製本など)がおすすめ
料理中に本が勝手に閉じてしまうとストレスになります。
手で押さえなくても開いたままにできる「PUR製本(コデックス装)」などが喜ばれます。
電子書籍ならコストを抑えられる
費用を抑えたい場合は、電子書籍という選択肢もあります。
タブレットでレシピを見る人も増えているので、需要は十分にあります。電子書籍(Kindle)で自費出版する方法!仕組み・印税・成功のコツを完全解説 もご覧ください。
汚れにくい用紙や加工(PP加工など)
キッチンで使う本なので、水や油が飛んでも拭き取れるよう、表紙にPP加工(ビニールコーティング)を施したり、本文用紙にツルッとした紙を選んだりする配慮も大切です。
まとめ
料理は愛情、本も愛情です。
あなたの「美味しい」を詰め込んだ一冊は、きっと誰かの食卓を豊かにし、笑顔を広げていくでしょう。
それは、あなたが世界に贈る、最高のギフトです。
さあ、エプロンを締めるように、本作りの準備を始めましょう。
