「自費出版=高い」というイメージは、もう過去のものです。
今は数千円から、あるいは無料で出版できるサービスも登場しています。
でも、「安かろう悪かろう」では困りますよね。
なぜそんなに安くできるのか、そのカラクリを知れば、賢く利用することができます。
低予算でもプロ顔負けの本を作るための秘訣をお教えします。
「安い」自費出版には理由がある
決して怪しい裏技を使っているわけではありません。
安いサービスには、安くできる合理的な理由があります。
それを理解していれば、納得して利用できるはずです。
徹底的なコストカット(店舗なし、営業なし)
多くの格安サービスは、実店舗を持たず、インターネット上だけで運営されています。
立派なオフィスや、全国を飛び回る営業マンはいません。
家賃や人件費といった固定費を極限まで削ることで、サービス価格を下げているのです。
印刷仕様の標準化(テンプレート利用)
「紙はこの3種類から選んでください」「サイズはA5か四六判のみです」
このように仕様を限定し、テンプレート化することで、印刷工程を効率化しています。
オーダーメイドの自由度を捨てる代わりに、圧倒的な安さを実現しているわけです。
著者自身が作業する範囲が広い(完全データ入稿)
編集者が原稿を直してくれたり、デザイナーがレイアウトしてくれたりすることはありません。
「完全データ入稿」といって、印刷できる状態のデータを著者が自分で用意するのが基本です。
プロの手を借りない分、費用がかからないのは当然ですね。
大量生産によるスケールメリット(ネット印刷など)
全国から大量の注文を集め、まとめて印刷することでコストを下げています。
巨大な印刷工場で24時間稼働させることで、1冊あたりの単価をギリギリまで抑えているのです。
無料で出版する方法もある
「安い」どころか、初期費用ゼロで出版できる方法も存在します。
1. 電子書籍(Kindleなど)
原稿データさえあれば、Amazon KDPなどで無料で出版できます。在庫リスクもなく、印税率も最大70%と高いのが魅力です。電子書籍(Kindle)で自費出版する方法!仕組み・印税・成功のコツを完全解説 もご覧ください。
2. POD(プリント・オン・デマンド)
注文が入ってから印刷する方式です。ムゲンブックスなら、初期費用・月額費用無料で紙の本を出版し、Amazonや楽天ブックスで販売できます。

3. ブログや投稿サイト
noteやカクヨムなどでコンテンツを無料で公開し、ファンを増やしてから書籍化を目指すルートもあります。
格安・無料出版のメリット・デメリット
安さは正義ですが、リスクも理解しておきましょう。
メリット
- お小遣いでできる:失敗しても金銭的ダメージが少ない。
- 在庫リスクがない:PODや電子書籍なら、売れ残りの山に悩まされません。
- 気軽に出せる:趣味の作品や、名刺代わりの本に最適。
デメリット
- 自由度が低い:紙やサイズが選べないことが多い。
- 書店に並ばない:基本はネット書店(Amazonなど)のみの販売。
- 全部自分でやる:編集、校正、デザイン、販促……すべて著者の責任です。
安くても高品質な本を作るコツ
「安いから品質は諦める」必要はありません。ちょっとした工夫でクオリティは上がります。
表紙デザインはプロに依頼する
本の顔である表紙だけは、ココナラなどで数千円〜1万円かけてプロに頼むのが賢い投資です。MyCoverのような特化サービスもあります。自費出版の装丁(デザイン)完全ガイド!読者を惹きつける「本の顔」の作り方 でデザインの重要性を解説しています。
本文のレイアウト(余白、行間)にこだわる
素人が作った本が安っぽく見える原因は、文字の詰めすぎです。余白をたっぷりと取り、行間を広めにするだけで、読みやすく上品になります。
誤字脱字を徹底的になくす
校正サービスがない分、自分で何度もチェックし、家族や友人にも読んでもらいましょう。
「手作り感」を味にする
豪華な装丁ができなくても、著者の人柄が伝わる「あとがき」を入れるなど、温かみのある本作りを心がけましょう。
おすすめの格安・無料自費出版サービス
ムゲンブックス
- 費用:無料
- 特徴:費用0円で紙の本を出版可能。リスクゼロで始めたい人に最適。サイトで文字入力するだけで印刷データは自動作成。
MyISBN
- 費用:4,980円(税別)
- 特徴:PDFを入稿するだけでAmazon販売開始。PDFで入稿できるためデザインの自由度が高い。
パブー
- 費用:電子書籍無料、紙の本(POD)対応
- 特徴:ブログ感覚でサイト上で執筆ができる。電子書籍と紙の本を両方出したい人に。Amazonで販売可能。
しまうま出版
- 費用:1冊数百円〜
- 特徴:写真集や画集に強い。1冊から作れるフォトブックサービス。
「安さ」だけで選んで失敗するケース
- 相談相手がいない:パソコン操作でつまずいても、手取り足取り教えてくれる人はいません。
- 色が違う:モニターの色と印刷の色は違います。色校正がないサービスでは注意が必要です。
- 後から高額請求:「書店流通は別料金」などで、結局高くなることも。トータルコストを確認しましょう。
まとめ
「安い」ことは、決して悪いことではありません。
無駄を省いた賢い選択です。
浮いた費用を、販促活動に使ったり、次の作品の制作費に回したり。
安さを武器にして、あなたの出版活動をもっと自由に、もっと活発にしていってください。
