「原稿さえ書けば、あとは印刷するだけでしょ?」
もしそう思っているなら、少し立ち止まってください。
原稿は、あくまで「素材」です。
その素材を料理し、美しく盛り付け、お客様(読者)が食べやすい形にして提供する。
それが「編集」という仕事です。
商業出版では当たり前についている編集者ですが、自費出版でもその存在は不可欠です。
ここでは、あなたの本を劇的に良くする「編集者」の役割と、上手な付き合い方についてお話しします。
自費出版における編集者の役割
編集者は、単なる誤字脱字チェッカーではありません。
著者の想いを読者に届けるための、最も強力なパートナーです。
著者の伴走者としての存在
本作りは孤独なマラソンのようなものです。
途中で自信をなくしたり、方向性を見失ったりすることもあります。
そんな時、隣で励まし、ゴールまで導いてくれるのが編集者です。
企画の壁打ち相手
「誰に何を伝えたいのか」「この構成で本当に面白いのか」。
編集者は、最初の読者として客観的な意見をくれます。
壁打ち相手になってもらうことで、ぼんやりしていた企画がシャープに磨かれます。
原稿のクオリティコントロール
文章のプロとして、読みやすさ、分かりやすさを徹底的にチェックします。
著者が気づかない矛盾や、独りよがりな表現を指摘し、作品の質を高めます。自費出版の校正・校閲ガイド!「神は細部に宿る」本作り もあわせてご覧ください。
スケジュール管理と進行
「いつまでに原稿を上げるか」「いつデザインを入れるか」。
複雑な出版工程を管理し、予定通りに本が完成するよう進行をコントロールします。
編集者が行う具体的な作業
実際に、編集者はどんな作業をしているのでしょうか。
構成案の作成とアドバイス
目次の構成や、章立てのアドバイスを行います。
読者が最後まで飽きずに読める流れを作ります。
原稿整理(表記統一や事実確認)
「コンピューター」と「コンピュータ」の表記揺れを統一したり、年号や固有名詞に間違いがないかを確認したりします。
地味ですが、本の信頼性を守る重要な作業です。
リライト(文章の修正・加筆)
著者の文体を生かしつつ、より伝わりやすい表現に書き直したり(リライト)、不足している情報を加筆したりします。
デザイナーや印刷所への指示出し
装丁家やデザイナーに「こういうイメージで」と的確に指示を出したり、印刷所と仕様の調整を行ったりします。
専門用語が飛び交う現場での「通訳」のような役割も果たします。
良い編集者との出会い方
自費出版の場合、編集者はどうやって探せばいいのでしょうか。
出版社の担当者との相性
自費出版サービスを利用する場合、担当の編集者がつきます。
「この人は自分の意図を汲んでくれるか」「話しやすいか」など、相性は非常に大切です。
100万円からの費用がかかりますが、安心して任せられます。
フリーランス編集者への依頼
最近は、ココナラやクラウドソーシングなどで、フリーランスの編集者に直接依頼することも可能です。
実績やプロフィールを見て、自分のジャンルに強い人を選びましょう。
ココナラで調べてみたところ、200人を超える方から編集者を選ぶことができます。
無料で見積もり相談できますので、気になる方がいらしたら相談してみてください。
ココナラで編集者を探す
実績が多い人ほど安心なので、星の横にカッコ書きで書いてる評価・感想の数が多い人に頼んでみてください。
編集プロダクションの活用
編集プロダクション(編プロ)に依頼すれば、プロのチームが制作をサポートしてくれます。
費用はかかりますが、商業出版並みのクオリティが期待できます。
過去の担当書籍を確認する
依頼する前に、その人が過去に担当した本を読んでみましょう。
「こういう本を作りたい」と思えるかどうかが、判断の基準になります。
編集費用の相場と内訳
プロに頼む以上、費用はかかります。
編集費が含まれているパック料金
多くの自費出版サービスでは、基本料金の中に簡易的な編集(原稿整理など)が含まれています。
出版社に依頼して自費出版を行う場合、どこまでの作業が編集費に含まれているかを確認しておきましょう。
オプション料金としてのリライト代
パック料金に出会っても、大幅な書き直しやリライトを依頼する場合は、別途オプション料金がかかるのが一般的です。
ページ単価や文字数単価での計算
フリーランスに依頼する場合、「1ページ〇〇円」や「1文字〇〇円」といった単価で計算されることが多いです。
事前に見積もりを取り、作業範囲(どこまでやってくれるか)を確認しましょう。
ココナラでも「1文字〇円」と書いてあるので依頼前に確認しておいてください。
費用対効果をどう考えるか
編集費をケチると、結局は読みにくい本になり、誰にも読まれない在庫の山になってしまうかもしれません。
「読まれる本」にするための必要経費と考えましょう。自費出版の印税と利益の仕組み!儲かる確率を上げる収支シミュレーション で収支を考えるのも重要です。
まとめ
編集者は、あなたの原稿に魔法をかけるわけではありません。
しかし、あなたの言葉を磨き、整え、輝かせる技術を持っています。
「自分一人で作った方が安上がりだ」と思わずに、ぜひプロの力を借りてみてください。
第三者の目が入ることで、あなたの本は、あなた自身も驚くほど素晴らしい作品に生まれ変わるはずです。
