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自費出版の本が売れない理由とは?在庫の山を作らないための対策

「自信作だったのに、全く売れない……」
発売から数ヶ月。Amazonのランキングは圏外、書店からの注文もゼロ。
自宅の部屋には、売れ残った本の段ボールが山積み。
これは、多くの自費出版著者が直面する厳しい現実です。
「いい本なら売れるはず」というのは幻想です。
売れないのには、必ず理由があります。
ここでは、自費出版の本が売れない主な原因と、少しでも状況を改善するための対策、そして「売れない」という現実とどう向き合うかについてお話しします。

目次

自費出版の本が売れない理由

なぜ、あなたの本は読者に届かないのでしょうか。

そもそも知られていない(認知不足)

これが最大の理由です。
どんなに素晴らしい内容でも、存在を知られなければ買ってもらえません。
無名の新人が出した本を、わざわざ探して買う人はいないのです。

ターゲットが不明確で誰にも刺さらない

「みんなに読んでほしい」と思って書いた本は、結局「誰にも響かない」本になります。
「20代の悩めるビジネスマンへ」「子育てに疲れたお母さんへ」など、ターゲットを絞り込まないと、読者は「自分に関係のある本だ」と認識してくれません。

表紙やタイトルが魅力的でない

人は見た目が9割と言いますが、本も同じです。
Amazonの検索結果に並んだ時、タイトルと表紙のサムネイルだけで「面白そう」と思わせなければ、クリックすらされません。
素人っぽいデザインや、意味不明なタイトルは致命的です。自費出版の装丁(デザイン)完全ガイド!読者を惹きつける「本の顔」の作り方 を参考に改善しましょう。

内容が独りよがり(読者不在)

読者が求めているのは「自分の悩みの解決」や「感情の揺さぶり」です。
著者の自慢話や、説教くさい持論が延々と続く本にお金を払う人はいません。

売れない本を売るためのテコ入れ策

諦めるのはまだ早いです。できることはあります。

Amazonの紹介文やキーワードを見直す

Amazonの商品ページは、24時間働く営業マンです。
「内容紹介」の文章を魅力的に書き直したり、検索されやすいキーワードを登録し直したりするだけで、アクセスが増えることがあります。自費出版はAmazonで売るのが正解!流通の仕組みと販売戦略 も参考にしてください。

SNSで著者の人柄や制作秘話を発信する

X(旧Twitter)やInstagramで、本の内容に関連する役立つ情報を発信したり、本に込めた想いを語ったりして、著者自身のファンを作ります。
「この人が書いた本なら読んでみたい」と思わせるのが狙いです。

試し読み(無料公開)で中身を知ってもらう

「はじめに」や「第1章」をnoteなどで無料公開します。
中身を読んで「面白い」「続きが気になる」と思ってもらえれば、購入につながります。

知り合いにレビューを書いてもらう

レビューが0件の本を買うのは勇気がいります。
友人や知人に本を読んでもらい、正直な感想をAmazonレビューに書いてもらうようお願いしましょう(※やらせはNGです)。

「売れない」と割り切る勇気

ビジネスとして割り切る視点も必要です。

商業出版でも重版率は1〜2割

プロが作った商業出版の本でさえ、増刷(重版)がかかるのは全体の1〜2割と言われています。
残りの8割以上は、初版のみで消えていくのです。
素人が初めて出した本が売れないのは、ある意味「当たり前」のことです。

売上以外の価値(名刺代わり、記念)を重視する

「売上」だけを成功の指標にすると辛くなります。
「名刺代わりに配って仕事を取る」「自分の生きた証を残す」「家族に読んでもらう」。
そういった別の価値に目を向ければ、売れなくても「成功」と言えます。

在庫を抱えないPOD出版ならダメージは少ない

最初から売れないリスクを想定して、POD(プリント・オン・デマンド)や電子書籍を選んでいれば、在庫を抱えて赤字になることはありません。プリント・オン・デマンド出版(POD出版)とは?在庫リスクなしで紙の本を出す仕組みとサービス比較 を検討してください。
「売れなくても痛くない」状態を作っておくことが大切です。

次回作へのデータ収集と捉える

「なぜ売れなかったのか」を分析することは、次の本を書くための貴重なデータになります。
失敗は成功の母です。

売れなくてもやってはいけないこと

焦りは禁物です。

自分で大量に買い取ってランキングを操作する(自社買い)

一時的にランキングを上げても、中身が伴わなければすぐに落ちます。
無駄な出費になるだけです。

読者に押し売りをする

友人や知人に「買って買って」としつこく迫るのはやめましょう。
本だけでなく、信用まで失います。

出版社や書店のせいにする

「出版社が宣伝してくれないから」「書店が良い場所に置いてくれないから」。
他人のせいにしても状況は変わりません。

執筆をやめてしまう

1冊目が売れなかったからといって、書く才能がないわけではありません。
書き続けることでしか、道は開けません。

まとめ

本が売れないのは辛いことです。
しかし、それはあなたの人間性や人生が否定されたわけではありません。
単に「商品の見せ方」や「届け方」がうまくいかなかっただけかもしれません。
一喜一憂しすぎず、できる対策を淡々と実行し、そして何より、書くことを楽しむ気持ちを忘れないでください。
あなたの本を必要としているたった1人の読者に届くことを信じて。

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この記事を書いた人

初めて出版する個人著者さんに、Wordや一太郎を使ったかんたん・低コストな本づくりの手順をお伝えしています。
とくに、在庫リスクやムダな廃棄をなくし、環境にも経営にも優しいPOD出版という新しい形を広めることが今のテーマです。
返本率が過去最高と言われる出版業界の中で、「無理なく続けられる出版スタイル」を一緒に考えていきましょう。

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